2023年現在、我が家にはまだ数本のVHSテープが残されていた。何かというと、ミュージックビデオだ。無論再生のためのVHSデッキは無い。
THE BLUE HEARTSの作品が4本。また、そのメンバである真島昌利のソロ活動の作品が2本。THE BLUE HEARTSの作品は「ブルーハーツが聴こえない」、「ブルーハーツのビデオ+幻のビデオ復刻版」、「THE BLUE HEARTS LIVE!」、「TOUR '88 PRETTY PINEAPPLE SPECIAL」。真島昌利の作品は「真島昌利 LIVE Another Summer」、「RAW LIVE」。
いい加減、デジタル化するなどして保存し、テープ自体は破棄したいと思って早10年以上。著作権の関係などもあって業者には頼めないし、かと言ってデッキを購入して自炊するにも知識がない。そんな腰の重い状態が続いていた。今日も改めてネットで調べてみたが、デッキは高額だし、なかなか手が出せないでいた。
しかし、ここでふと気づいてしまった。DVD化され、再販されてはいないかと。そして、結論から言えば、見つける事ができた。
俺が好きなミュージシャンの中では最もメジャーだったことが幸いし、人気が長続きしてくれたおかげだ。そもそも、俺の中では再販なんて言う目線がなかった。俺の好きなマイナーバンド/インディーズバンドは「その場限り」が多いためだ。そんな自分の中にある常識に、苦笑いしてしまった。
10代前半から半ばまでにかけ、人生で最も大切にしていた精神・考え。それを教えてくれた存在が、またこれからも手元に置き、また眺める事ができるという安心感に、ほっと胸を撫で下ろした。
そして、人生で最も長く手元に置き続けた作品たちのいくつかを整理することが出来、とても晴れやかな気分になったのだった。媒体は変われど、コンテンツは残る。
そして媒体は無くなれど、その存在は思い出に残るよ。さよなら、VHS。そしてこれからもよろしく、10代の思い出。