後輩の初仕事が終わって

 10月から中途で入ってきた新入社員T.T.のフォロー役をしている。業務の割り振りから普段の指導まで、簡単に言えば部下的存在。
 うちの会社でSEをやると、1番初めに任されるのは事務処理関係で、特に原価積算と決裁を頼むことが多い。契約内容の把握と調整、コストコトロール、幹部への説明など、基本的な社内業務の1番基礎が詰まっているからだ。
 そしてつい最近になって割り振っておいた3案件のうち、1件がユーザ契約および下請契約決裁まで完了した。これでプロジェクトが動き出す。本人もホッと笑顔というか、ちょっとドヤ顔で俺に完了報告をしてくる。
 俺も新入社員だったころ、きっとこんな風だったのだろうなぁと思い、思わず笑顔。労いの言葉をかけるとともに、彼が更に成長してくれることを願ったのだった。
 こういった感情が自身に芽生えるようになって、歳取ったと改めて思う。まだ半人前でいたいのだが。追いかける側から追いかけられる側へ。段々とこうやって変化していくのだろう。