旅費浪費家のラプソディー

旅費浪費家のラプソディー

 すごい地味な話。
 お客さん先挨拶を除けば、実質最後の出張週間である。今週は、毎日自宅から通いで福島(市)の事務所へ通っていた。俺からすれば出張だが、朝イチに間に合う出張で1週間同じ場所なら、それはもう通勤だ。
 一時期も郡山へ通っていた時期もあった。その時は同じ時間、同じホームの風景、そして同じ人たち、同じ並び。そういったものを味わっていた。そして、今も味わっている。県をまたぐのに通勤を新幹線って、相当特殊だ。景色や速度じゃなく感覚の話。これは体感したことがなければわからない。
 すべてに感傷的なのかもしれない。通勤(出張)だけでならば、うちの会社員の中でもトップクラスに旅費を使ったド派手な3年3か月。自分の手取りより多く旅費を使った日もあった。それが、そろそろ終わりを迎えようとしている。
 さまざまなところに行けた。誰もが行きたがらないような場所にも行った。たまに誰もが休みなら行きたがるような場所にも仕事で行った。金はかかったが得たものも大きく、そして、お客さんの信頼も大きいものだった。この状況が無くなる。この事実は、ちょっと、いや、結構寂しい。
 決して無駄遣いしたわけじゃないぜ。けど、可能性が減るようで。そして、そう思ったら負けなわけで。