電器屋仕事 1日目

カカシ(案山子)

 今日から3日間、お客さん先で、デジタルサイネージシステムの設置工事を行う。久々の休日出勤である。
 プラズマディスプレイや伝送補償器の取り付けとパラメータ調整や、サイネージコンピュータの設置が主な工程。もはや俺の仕事は電話屋なのか、電器屋なのか、分からなくなってくるよ。そして、相変わらず当日の人員で最年少。電器関係に疎い若輩者が元請現場代理人でいいのだろうかと不思議に感じた。
 さて、今日は全体の作業のうち、配線作業を行った。
 基本的に監理と監督を行う立場なので、詰め所に籠もり事務処理を進めながら、時折安全パトロールに出向いていた。ああ、暇だ。設計したのは俺だし、それが具現化されるのは非常に嬉しいことではあるのだが、いかんせん当日の作業ではやることが無くて暇だった。作業の安全に関する点で数カ所指導したのと、細かなルート指示くらいしかやることが無かった。
 明日はディスプレイ等の大物設置がある。多分これも、角度調整で呼ばれるくらいしか役回りがないだろう。
 俺の立場と人間像では、このままではカカシと同じになってしまう。よりよく現場を回すことに貢献できないだろうか。今日の宿題は、きっとそれだ。