一周忌

お墓までの道のりにて




 まだ近しい親戚くらいしかいない、誰も来ていない朝早くの写真。
 俺の母親の一周忌です。ただそれだけのことで、本当に沢山の人たちが来てくれました。本当にうれしくて、本当に悔しいことです。
 だけれども、俺、ちょっと苦手だな、この雰囲気。この空気。もう無ければいい、こんなこと。本当はそう思っています。
 俺はただやり過ごすだけで精一杯で、それ以上は女共に任せていたのでした。本当、俺、不甲斐ない。甲斐性無しのロクデナシ。それは俺のことです。
 俺はマザーコンプレックスの息子。それだけ伝われば、幸いです。