大阪から


 大阪からM.K.の来訪。もう付き合いが10年にもなろうかと言うほど、長い付き合い。距離もあって、年に1回東京で会うくらいの割合だったものの、ついに俺の実家にまで遊びに来てくれた。
 そして、地酒を飲ませたくて、俺は早速になじみの店に連れて行ったんだ。地元の俺の知り合い連中だったら、誰もが知っている店「串ぎん」へ。
 俺の思春期そのまんま付き合ってくれた、10歳上の兄貴。母親とも仲良くしてくれて、そして、生前に会えなかったことを悔やんでくれた。とても、うれしいことだよ。見たことも無い人の死を惜しんでくれた。俺の母親が死んで、惜しんで、悲しんでくれた。すべて、彼女の人徳なんだけど、すべて、彼女の功績なんだけど、俺は、そのことがとてもうれしくて、とてもうれしくて、涙が溢れるんだ。
 俺みたいなロボット、心がいらないと思っていた。けれども、心が育つときに一緒に過ごしてくれた友人がこの街で一緒に酒を飲んでくれて、俺に言葉にならない感情ばかりが育ってきた。

 ありがとうございます。本当にうれしかったんだ。また、来てよ。俺もまた、行くから。でなけりゃ、落ち合おう。一緒に何かしよう。一緒に笑おう。一緒に悲しんでよ。
 親友なんだよ。親友。だから、また一緒にいたいんだ。