明るい時間から

両毛線

 社内の合格決裁が下りなかったよ。まったく困った事実だね。「発注決裁出したのお前だろっ」って突っ込みは、決して言っちゃいけないNGワード
 つまらない仕事は投げ出して、午後は半休にして帰ったよ。

 ビールが飲める。これだけで今日を生きていることがわかるよ。川崎の街並みはそのことをよくわかっているね。今から実家へ帰るよ。ただただ平穏な日々を求めて。そして、実家がただただ心配なんだ。俺たちが生き延びる術を考えようじゃないか。
 俺は東京からすれば余所者さ。クソ喰らえ、俺は東京を心配しないぜ。俺たち、余所者。なんでもいいように受け取っているのさ。
 さあ、帰ろう。生まれた土地へ。今日は電車で帰る。川崎と同じ色の電車が俺を迎えてくれる。懐かしさ、新しさ、色は全く同じ。色から浮かぶ俺の本心は、まだ誰にも隠したままだ。