頭の真上を通り過ぎるミサイル

東北本線

 普段は残れと言われるのに、今日は帰れと言われる。なのに帰れない。よくわからんね。
 牢屋の中にいる保険屋の女を使い捨てよう。彼女たちはそうされることを望んでいるらしい。果たしてそれに意味があるのかは、俺が判断することではない。とりあえず話しかけんな。
 無理して実家まで帰るよ。明日のためさ。明日から母校の学園祭なのさ。遠すぎる東北本線は、感傷するのには最適だね。昔のことばかりが出て来る俺は、ロクでもない人間だ。最高の今があるのに、あの時のことばかり思い出してしまう。駅に付いたときの想いって、意外と悲しいものだ。