老人とTwitter

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 最近出た話題に「老人の孤独感を埋めるためにTwitterライクなサービスを提供できないか」というものがあった。Twitterの利点は身近な人同士の速報性と同時進行性にある。早い話が、離れているのにつながっている感じがするということになる。それを老人同士や、老人と離れて住む家族などに提供できないかというわけだ。そこでこれについて、実現に向けてのサービス内容を自分なりに考えてみた。
 問題はTwitterやその類いのサービスはデジタルガジェットでのみ利用できることにある。老人が利用しているようなコミュニケーションサービスといえば電話、井戸端会議、テレビくらいなものだ。その中にデジタルガジェットを盛り込むことはおそらく不可能だ。当初は電話を用いた音声認識を自動postしていくことも考えたが、果たして返答の無い電話に向かって本当に"つぶやき"を投稿するだろうか。
 それよりかは、発信をしないテレビのような受信専用の端末でも置いておいたほうがいいのではないだろうか。そうすることで発信者が楽しそうにしていることを見ることができる。それを冷蔵庫に貼付けるカレンダーだったり、部屋に張るカレンダーだったりするように壁掛けて貰えばいい。つまりは掲示板のような機能を持たせればいいのだ。そしてもしも発信したいと考えるならば、50音順に並べられたオプションのあいうえおキーボードや手書きタブレットを端末にでも備え付けてもいいだろう。
 そしてそのサービスにおけるキモとも呼べるのは、マルチプラットフォームであること。つまりここまで書いてきた専用端末は老人向けのもので、他のユーザは今まで通り携帯電話やPCなどから利用ができる。つまりこの新サービスは場としてのサービスであり、アクセスは任意であるというTwitterの思想はそのまま引き継ぐことにする。そうすることで、既存のユーザ市場を変えることなく新規ユーザに入って来てもらうのだ。
 ではTwitterが使える専用端末を開発すればいいのではないかと考えるだろう。では何が差異か。それは、ユーザの固有コードにも多様性があることだ。例えばTwitterならばユーザIDでもって相手をフォローしていた。しかし、アルファベットベースだし、それでは老人には向かない。そこでユーザIDのほかに、電話番号(携帯電話含む)や住所、メールアドレスなどからもフォローができるようにすれば利用しやすくなる。もちろん公開レベルの設定はユーザの任意による。また、基本思想からも本名によるコミュニケーションとなる。その辺はローカルコミュニティ向けサービスなので妥当だろう。
 そしてプロモーション責任を持つ業界。これは放送と通信になるだろう。特に通信分野においては携帯電話業界などが先攻すべき内容だ。移動体通信による電話と、固定と移動体を含むメールが社会に浸透した一方で、次に来る通信を画策しきれていない携帯電話業界は、こういった新規サービスに乗り出して行くべきだ。インフラはインフラなりに新しいインフラを作って行かねばならない。今のインフラ設備だけで10年後は生き残れない。
 あー、だいたい考えた。よし、誰か実現してくれ。