ろじかるしんきんぐ

I’m Sheep, not Sleep.

 久々に何も考えない日が来た。考えたくもない。
 何とも言えず気分が落ち込んでいて、ガソリンを満タンにした車を出した。もちろん1人で。こういうときに誰かが隣にいても、右のほほだろうが左のほほだろうが笑顔で打ち付ける存在でしかない。
 使い慣れた柔軟剤、金属の板、安い皿、絹でできた赤い下着、ドイツ製の鉛筆、ビニールカバーのメモ帳、そのほか細々としたものを買うには、真新しい1万円札ではまったくの役者不足だった。個として存在していても、個として認識されていない現実。そしてそれ以上に長い時間の沈黙。結論はなく、沈黙こそが美徳であるという古い精神が重い空気を作る世界だった。
 暗くなる前に帰った。暗くなった風景や、夕暮れは好きだが、今まさに暗くなっているという瞬間は恐怖以外の何者でもない。それは努力や、才能によって克服できるものではないと思う。
 今の自分は、ティータイムに食べるはずだったジェリードーナツを買い損ねた程度の後悔しかしていないのだろう。