THE WHO TOUR 2008 in Yokohama Arena

横浜アリーナ

 今日の講義は同級生に託し、女学生たちにケーキを振る舞い、くだらないノイズを消去して、いざ横浜。横浜アリーナにてThe Whoのコンサートを見るためだ。2004年に行われたTHE ROCK ODYSSEY 2004以来4年ぶり、そして国内では初ワンマン。4年前にあれだけ後悔した分、今回は今月始まったくらいから、もうワクワクして仕方がなかった。
 メンバーはThe Whoオリジナルの2人の他に、John "Rabbit" Bundrick、Zak Starkey(Ringo Starrの息子)、Simon Townshend(Peteの弟)、Pino Palladinoがサポートで参加。Zakが個人的には楽しみ。
 今回はT.Nが一緒に来てくれるってんで、2人で行ってきた。初日は前日の大阪だけど、関東のほうは横浜が初日なこともあってか、相当な人員。30分前についた段階で入り口から最後尾が見えない。グッズが施設内販売のみなせいもあったのだろうか。
 ところで、時系列が逆になるが、この記事を書いている段階ではもう大阪公演と横浜公演のBootlegが出回っていた。The Whoは他のミュージシャンに漏れず、コンサートの録音撮影を許可していて、さらにファン同士でのそれらの交換を公認している。そのため、出回っているBootlegでもって聞き返しながら詳しく感想を書くとする。
01.intro
 メンバー入場。全員総立ち。入りのMCは"Hello, N.Y!!"から。一応のブーイングと共に流れるように1曲目へ。
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02. I Can't Explain
 ライブでは100%と言っていいほどデビュー曲のこれから。リフが聞こえ初めた瞬間には、震えすら来なかった。本当に現実に今そこで演奏しているのか、疑問すら感じてしまった。それほどに恋い焦がれていた。少し勿体ぶったような前奏から「I got a feeling inside...」と歌詞が始まる。言葉にならないとか涙が出そうとかでもなく、ただ乗り遅れないように「Can't explain」とコーラスを打った。もうそれだけしか覚えていない。
03. The Seeker
 前奏でわかる。少し落ち着いて周りを見る余裕が出てきた。とりあえず遠くの方に見えているメンバーを1人1人見る。Peteはハゲててすぐわかるし、Rogerは白いシャツでまぶしさすら感じる。Zak・・・暗くて見えない。双眼鏡でも持ってくれば良かったとこのとき思う。
The Who - Anyway Anyhow Anywhere

04. Anyway Anyhow Anywhere
 もう前奏のギター聞いてるときには"やるの?やるの?まさかやるの?"みたいなことしか考えられなくなってくる。そして「I can go anyway...」となるわけだ。前日の大阪セットリストにはなかったので、面食らったのは俺だけじゃないはず。
05. Fragments
 22年ぶり、2006年に出たスタジオアルバム「Endress Wire」の1曲目。特徴的なシーケンサを用いた前奏が始まると"アレッ"と思う人いるのか、微妙な歓声。いわゆる特定のファンってのは簡単に言えば年齢的にも、聞いてる音楽の世代的にもオールドなファンであって、でもThe Rollig Stonesのような第一線を狙うThe Whoはこの辺に葛藤があるよなぁと思いながら、聞き入る。つーか、前日の大阪公演でわかってたけど、バックモニターの映像がわけわからなさすぎてウケるわ。東宝映画が始まる前にいつも流れる大岩に波があたってるシーンみたいなやつが流れていた。
06. Who Are You
 前にいたおばさんが「Who who, who who」のところでよくわからない踊りしていて気が散って仕方がなかった。T.Nはこの曲が楽しみとか言っていたので、ちょっとニンマリしていたようなしていなかったような。
The Who - Behind Blue Eyes

07. Behind Blue Eyes
 自分としてはこれが前半のピーク。前のババアがどうだとか後ろのおっさんがうるせえとかそういうことなんかよりも、「Who's Next」が好きな自分としてはこれを歌ってくれて、そして最後に「Thank You」といってくれた2人にThank youだった。
 
08. Relay
 セットリストでも不安だった「Relay」。これ、ライブ盤のほかには10年以上前に出たベスト盤にしかないはずなんだが・・・。"これをやるならあれを・・・"と思ってしまう。どうしてもそう思ってしまう自分が憎らしい。
09. Sister Disco
 「次の曲はアルバム『Who Are You』から『Sister Disco』です」という感じの英語MCを覚えている。これまた、残念なことに印象薄いんだよな・・・。愛が足らないのかと自分を戒めたいところだが、結構いい曲じゃねーかと再認識しててそんな暇なく。
10. Baba O'Riley
 きた。きた。きた。もうそうとしか思えない、あのシーケンサ。手拍子でもって応える。そしてそこからピアノ。ハートフルなスタートだった。だから「Who's Next」好きの俺にこれはあまりにも感動してしまうから・・・。気持ちがなぜか落ちついてしまう。「Don't Cry...」からのサビは大合唱、もちろん自分もそうしたけれど、でもそれ以上にRogerの声をもっと聞きたくなって手を耳に当てて聞き入ってしまっていた。
11. Eminence Front
 「It's Hard」から。Zak見えねえ・・・とか、Pino動き変じゃねとか思いながら、結構周りを見ていた気がする。さすがにBabaの後だから・・・っていう雰囲気。それに結構曲数もやってるし、自分の好きなやつはやるのかどうかで不安になってきた。
12. 5:15
 他にもいくつかそういう場面あったけど、「Why should I care?」のところを妙に早く歌ってて、アレッと思う。さすがに数十年同じパターンっていうのも飽きるんだろうけど、やっぱり編曲変わりすぎるのもどうかなぁと思ったりした。
13. Love Reign O'er Me
 「Only love...」から始まるまでの緊張感、そして「Love, Reign o'er me...」のアツさ。静かになるやつ、一緒に歌うやつ。俺は前者だった。もうだって、聞くことしか考えられない。

14. My Generation
 「Talkin' 'bout my generation...」、もう盛り上がりは最高。ある意味、全員がPeteなわけだよ。大阪セットリスト最終曲のため、もう終わりが近いのかもしれないと不安になる。そこから糞長いジャム。「Jimi Hendrix, Janis, ja, ja, ja, Janis Joplin...」と歌っていたけどなんだったんだろうか。あまりにも長いジャム、少しもたれかかって聞き入った。
The Who - Won't Get Fooled Again

15. Won't Get Fooled Again
 後半ピーク。手拍子すらノイズと思った。ただひたすらに立っていた。1番聞きたかった。泣きそうになっていた。Bootlegではintro含めて21曲中で最長の12分17秒だが、絶対に嘘。ライブのときはたった1分か、2分もないくらいにしか感じられない。気づいたときには曲もそろそろ終わるところで、ただ「Meet the new boss, Same as the old boss」という歌詞を、乗り遅れないようコーラスすることだけに従事した。愛情や、尊敬の表現のため。そしてそのタイミングは成功だった。
 メンバーが歓声と拍手の中、バックステージへ隠れてしまう。アンコールがあるとはわかっているものの、どうしても拍手してしまう。最後の曲のとき、Zakのドラムパフォーマンスがすごかったな・・・と思い返す。なんでそう思ったのか、なぜオリジナルメンバーではなかったのかはよくわからない。そしてそんなことを考えている間も拍手は鳴っていて、しばらくしてメンバーは先ほどから変わらぬ拍手と歓声の中、戻ってきてくれた。
Encores:
16. Pinball Wizard
 ただ声が枯れるまでの大合唱だった。ただそれだけ。もうこの曲の後半には本当に声がでなかった。もう一番はっちゃけたんじゃなかろうか。そして相変わらずのバックモニター、わけわからん映像。あれPeteが作ったって話だが、残念なことにセンスないな・・・。
17. Amazing Journey
 先ほどの明らかなペース配分ミスのおかげで聞き専に徹することに・・・。その分、Zakが見られたからいいや。
18. Sparks
 3曲目にして「Tommy」からなんだとわかる。「Sparks」は後半がいいんだよな・・・。このグルーヴ感をこのメンバーでも出せるのかと、ただひたすらに感じた。
19. See Me, Feel Me
 泣くから。もう、泣くから。枯れた声で、一緒に歌って泣くから。
20. band intro
 ここでバンドメンバーの紹介と共に、RogerとPete以外が拍手で送られる。そして2人も舞台を降りるのかなと思っていたが、2人で肩を組んだりなんだりしてさらに大きな拍手が送られると、Peteがギターを手に取り、最後の曲へ。
The Who - Tea & Theatre

21. Tea & Theatre
 ああもう、ああもう、ああもう。黙って見てたよ。この歌が、あまりにも切ない友情の歌であるから。そしてもう2人はいなくて、いつまでもさわがしいわけじゃないと歌うから。そしてもう2人しかいなくて、いつまでも変わらないわけじゃないと歌うから。


 全部が感動だった。会場の灯りがついて、熱狂がひとまず終わることがあまりにも惜しい。一晩中鳴りやまなければいいのにと思えるほど、何もかも素晴らしいコンサートだった。

*1:記事中にあるfotolifeの写真はすべて当日の写真。公式Webサイトより。