- 作者: レイモンド・チャンドラー,清水俊二
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1976/04/01
- メディア: 文庫
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そしてテリー・レノックスのセリフ、「ギムレットには早すぎる」を言うことになるとは思わなかった。これしか出てこなかったんです。
フィリップ・マーロウのセリフにも好きなものがいくつかある。その中でも前述のセリフを受けて少し後の、「君とのつきあいはこれで終わりだが、ここでさよならはいいたくない。ほんとのさよならはもういってしまったんだ。ほんとのさよならは悲しくて、さびしくて、切実なひびきを持っているはずだからね」は1つの極ではなかろうか。サイコロを投げてしまったから、その後はこの物語と同じように締めくくる気でいる。レノックスが好きなようにギムレットを甘くして、最後に最後の1杯ほど未練を試し、さよならを言うことなく。